IN⇄OUTをボーダレスに繋ぐ「INOUT(イナウト)」って何者?【人気ガレージブランドの裏話vol.3】

アイキャッチ・記事中画像撮影:比留間保裕

人気ガレージブランドをクローズアップ

大手メーカーによる大量生産品とは違い、職人技術やハンドメイドにこだわった高品質なアイテムが人気を博すガレージブランド。少量生産ながらもここ数年で人気がうなぎ登りのアイテムも少なくありません。

そこでこの企画では人気のガレージブランドにスポットを当てて、そのヒストリーと魅力に迫ります!

第3回目は「INOUT(イナウト)」


「INOUT(イナウト)」がローンチしたのは2014年7月。当時では珍しい“家の中で使う家具を外でも使う”というコンセプトのもと、木材やアイアンを使ったテーブルやチェアは瞬く間に一世を風靡。グランピングスタイルを牽引するパイオニア的なブランドとして独自の地位を確立しています。

2020年5月には、東日本橋(中央区)から東向島(墨田区)へ店舗を移転。巨大な倉庫空間を自分たちでリノベーションし、さらに心地よく買い物ができる環境を作り上げました。

コロナ禍での移転だったため、残念ながら大体的な告知プロモーションができずにオープンしたのが実情ですね。

というのはイナウトの代表小林卓さん。ブランド立ち上げから6年、装いを新たにリスタートする「イナウト」とは果たして何者なのか? 代表の小林さんに色々と伺ってきました。

小林さんにインタビュー!「イナウト」って何者ですか?

ブランド立ち上げのきっかけは?


23歳で起業した設計施工会社の経営をしている小林さん。現在でもアパレル店舗を中心に、名だたるブランドショップを手掛ける売れっ子設計士でありながら、「イナウト」を運営。そもそも、なぜ自社ブランドを立ち上げることになったのでしょうか?

昔から什器やテーブルなど、家具は一通り設計して作っていました。そのノウハウを、趣味だったキャンプに持ち込んだのがきっかけですね。当時は味気ないギアが多くて、どうしても個人的に好きになれなかったので、テーブルや椅子、ギアボックスなどを作るようになりました。それらが、今のイナウトのベースになっています。

立ち上げ当初の反応は?


いまでこそ、グランピング施設が次々と増え続け、グラマラスなキャンプはひとつのスタイルとして確立されました。でも、イナウトを立ち上げた2014年には、まだグランピングという言葉すら日本には普及していません。お客さんの反応はどうだったのでしょうか?

当時はキャンプギアと家具を兼用しようなんて発想が浸透していなかったので、苦労しましたね。イナウトの商品は“家で使うことが前提”なので、頑丈で耐久性を重視してます。すると、小さくなりにくかったり、単価も高くなってしまうんです。お客さんからは「重い!」「高い!」ってよく突っ込まれましたね。でも、一部のコアなお客さんたちからは好評で、それが徐々に広まっていった感じです。

イナウトの代表作はこの3つ


素材も生産もすべてMade in Japanにこだわっているイナウト。その代表作として最初にピックアップしていただいたのが、ブランド第一号商品の「タートルテーブル(9万5,000円)」。スチール製の頑丈な脚はロータイプとハイタイプの2種類から選べるそうです。

自宅ではソファ前のリビングテーブルとして、キャンプでは家族で囲めるメインテーブルとして使用できます。スチール部分にはシェラカップをぶら下げられたりと、当時では珍しいかったギミックはコアなキャンパーたちから評価を頂きました。


お次がこちらの「ジャストライトチェア(3万6,500円)」。最高のくつろぎタイムを演出してれる、イナウトの定番モデルです。

タートルテーブルの次に商品化したのがジャストライトチェアです。長時間座っても疲れないように高さを設定しています。使用している倉敷帆布(はんぷ)は頑丈で伸びにくいから長く使えますし、沈みが少ないので座るととても快適ですよ。


そしてもう一つ、イナウトと言えばこちらの「スタックボックス」も有名。ハイ(2万6,500円)とロー(2万1,500円)の2サイズ展開で、ウッドカバーやコネクトテーブルなど豊富なオプションが人気の秘密です。

荷物を収納するためのボックスですが、安い価格ではないので、買った後にもいろいろ応用ができるようにと、オプションを豊富に取り揃えました。天板を付けて台にしたり、コネクタを連結してサイドテーブルにしたりと、使い方は無限大に広がるボックスです。

壊れてしまっても、無償で修理


キャンプ用品として考えると高価に感じるイナウトの製品ですが、自宅で使うことをメインに作られた家具と捉えれば、コストパフォーマンスは悪くありません。しかも、万が一壊れても、ほとんどの場合は無償で直してくれるというのですから、安心して購入できますね。

ウッドや金属製品の場合、どうしても経年変化で壊れてしまうことがあります。そんな場合は店舗まで送っていただければ、キレイにメンテナンスして無償で修理してます。テーブルに付いた染みなんかも、削ったり、その部分だけパーツを交換できますのでご安心ください。

送料のみ別途必要となりますが、こういったアフターサポートは嬉しい限りです。ユーザーでお困りの方は、ぜひ一度問い合わせてみてください。

家具屋だから、くつろいで買い物して欲しい


東向島の新店舗にはカフェスペースも用意。ランチタイムは軽食も用意され、コーヒーはイナウトのオリジナルブレンド(1,500円で購入も可能)を使用。キャンプの朝に合うテイストで作られたもので、香りが高く、外にいても濃い香りが楽しめるコーヒーに仕上がっています。

この物件はもともと自動車整備工場だったのもあって、とにかく広いんです。ずっとやりたかったカフェがようやく実現できました。イナウトはアウトドアショップというより家具屋。ですので、ゆっくりくつろぎながら見て欲しいというのもありますし、買い物をするときって少し頭を冷やしたくなるじゃないですか(笑)。そんなときにカフェスペースを使ってもらえたらと思います。

続いては、イナウトの最近のイチオシアイテムと今後の展開について紹介していきましょう。

小林さんがイチオシする、イナウトの新作

ジャストライトダイニングチェア/4万8,000円


今期の新作として登場した「ジャストライトダイニングチェア」。その名の通り、代表作の「ジャストライトチェア」のダイニングバージョンで、座り心地はとにかく最高! キャンプ用というより、自宅のダイニング用としておすすめとのことです。

ダイニングテーブルも販売しているので、それに合わせて作ったチェアがこちらです。ジャストライトチェアの膝裏の部分にあったウッドのバーをなくして、座り心地をさらに向上させました。帆布のテンションが心地よく、長時間座っても疲れません。

スタンダードテーブル/3万円

最近よく売れているのがこちらのテーブルです。脚は折り畳んで収納できるので、イナウトの他のテーブルと比べるとコンパクトになるのも人気の理由だと思います。特に女性からの人気が高い商品ですね。

2本のラインがアクセントになった「スタンダードテーブル」は、サイズが幅950✕奥行き530mmなので、4人で囲んでも充分な大きさ。シンプルで飽きのこないデザインなので、さまざまなギアやインテリアとも合わせやすそうです。

オリジナルシェラカップ/2,500円、オリジナルシェラディッシュ/4,500円

この2つは入荷するとすぐに売り切れてしまう人気シリーズです。新発売のディッシュは、取り分け用の大皿としてはもちろん、フライパンとしても使えます。このサイズはありそうでなかったので、ひとつあると重宝すると思いますよ。

容量480ccのシェラカップは深さも十分にあるので、煮込み料理やスープ、お茶碗の代わりとしても使える大きさ。それぞれ持ち手の下にはブランド名を刻印したメタルタグがあしらわれ、高級感ある作りになっています。

ガストーチケース/4,500円


他ブランドとのコラボが少ない(?)イナウトには珍しいコラボアイテムがこちら。キャンパーにおなじみソトのスライドガストーチ用のケースです。

C&C.P.H. EQUIPEMENTに別注したガストーチケースです。他にはないブラックカモとダークグリーンで、イナウトらしい色を表現しました。料理にも便利なガストーチなので、ぜひママ用に使ってもらいたいですね。

この夏、イナウトからソロキャンギアが発売!?


こちらの黄色いカブは、店頭の目立つところにディスプレイされているもの。何やら意味深ですよね。その理由を小林さんに伺うと、どうやらこれから展開を始める、ソロキャンプ用商品のイメージ作りだそうです。

イナウトでは初となる、ミニマルで旅に出られるようなギアを開発しています。カブの荷台にくくりつけられるようなボックスだったり、小型車にも積載できるようなものを検討しています。うまく行けば9月にはお届けできると思いますの楽しみにしていてください。

くつろげる新店舗でぜひ実物を


イナウトの商品が実際に見て触れるのは、日本では墨田区東向島にある直営店のみ。ひとつひとつの製品は決して安くはありませんが、実物を手にしてみれば、その価格にも納得がいくというものです。

代表の小林さんも店頭にいることが多いそうなので、コーヒーを飲みながらキャンプ談義に花を咲かせみてはいかがでしょうか?

イナウト ブランド情報

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