英語?技術?無くても無問題!アメリカ・ハイク&キャンプ旅入門(#04 実践編)

記事中撮影:筆者

ヨセミテ国立公園は初心者にもピッタリ

カリフォルニア州にあるヨセミテ国立公園は、個人的にも大好きな場所です。「アメリカの国立公園に初めて行くんだけどおすすめは?」と聞かれたら、ノータイムで「ヨセミテ」と答えます。

公園内はスーパーやキャンプ場、ホテルなどの施設も充実。ハイキング以外にも、キャンプはもちろん、釣り、川下り、ホーストレッキングなど様々なアクティビティが楽しめます。トレイルもたくさんあって、日帰りハイキングでも圧倒的な景色を堪能できる場所。

おすすめのデイハイクは「Vernal Fall—Nevada Fall Loop」と呼ばれるコースで、その名の通り2つの滝を巡ります。
こちらはヴァーナルフォール。この時は9月だったので水量が少ないですが、雪解けの季節(5〜7月)に行くと、ものすごい迫力です。岩に残された水の痕跡が、幅いっぱいまで広がっているのがわかります。

デイハイクをする人は、みな軽装。雨もほとんど降らないので、持ち物としては水と携帯食があれば十分。ただし日差し対策は忘れずに。
これがネヴァダフォール。最終的には滝の頂上まで行きます。滝を見下ろすというなかなか貴重な体験ができる場所です。

帰りはハイカー憧れのジョン・ミューア・トレイルの一部を歩いて、ヨセミテバレーまで戻ります。約5時間で楽しめる人気のコースです。

谷の底まで降りてみる?グランドキャニオンで山下り

観光地としては、日本人にもメジャーなアリゾナ州にあるグランドキャニオン国立公園。じつは1泊2日で、谷底まで降りるハイキングが楽しめるんです。山登りならぬ、山降り(=やまおり)。標高が下がっていくと、周りの地質や植生なども変化していきます。

降りきった先にあるのは、アメリカを代表するコロラド川。その畔にはキャンプ地もあるし、要予約ですが「ファントムランチ」という場所があって、コテージに宿泊することもできます。
こんな感じでズンズン下まで降りていきます。途中にはトイレなどもあります。底まで降りるには許可証が必要。国立公園のサイトから予約することができます。
トレイルではミュール(ラバ)に出会うこともあります。ミュールは、現役で荷運びをしている他、観光客を乗せるツアーなども開催しています。
見事な地層の重なり。グランドキャニオンの約20億年にわたる生成の歴史を遡って、深いところへ。時空を超えていくハイキングでもあるのです。
谷底には、サボテンが群生。奥を流れるのはコロラド川。アリゾナ州はじめ、カリフォルニア州などの水源にもなっています。ここからさらに下流に行くと、有名なフーバーダムがあります。

いつかは全踏破!?ハイカー憧れのJMT4泊5日

ロングディスタンスハイキングを取り上げた本などにも頻出する、ジョン・ミューア・トレイル(JMT)。世界中のハイカーが集まる憧れのトレイルです。総延長は約340kmで、かなりの健脚の人でも、一気に全行程を踏破するには2週間以上かかります。

となると、休暇的に非現実的……と諦めるのは早計です。ヨセミテ国立公園をスタートして、マンモスレイクまでなら4泊5日で踏破可能。しかもその行程はJMTの中でも屈指の美しさです。美味しいとこをつまみ食いする、最高の山旅を経験できるのです。

JMTのこのセクションは、湿原、高山帯、湖沼、氷河の跡など様々な地形の中を歩けるバリエーションの豊富さも魅力です。時にはこんな感じで渡渉(川を渡る)ことも。
ドノヒューパスを過ぎて、アンセル・アダムス ウィルダネスというエリアに入ったところ。その名前はこの辺りに通い続けた有名な写真家に由来。写真では表現しきれないほどの広大さです。 様々な場所にキャンプ適正地があります。水場からもトレイルからも一定の距離のあるところでキャンプをしなければならないというルールの他、焚き火などについても制限があるので、ビジターセンターで事前に確認しましょう。

#04 実践編はこれにておしまいです。

全4回にわたって、アメリカのハイキング、キャンプの魅力を伝えてきましたが、正直な話、その素晴らしさの1/100も伝えられていません。もしかするともっと低いかも。写真で見ただけで、行った気になってしまうのはもったいなさすぎます。ぜひ一歩踏み出してみてください。大丈夫。僕でもできたんですから。

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