【DIY教室】第一回目は「スリムスパイスラック兼風防」
キャンプギアは、お気に入りのブランドアイテムをそろえるのもいいですが、自分で作ったものは愛着が湧いていいものですよね。今回CAMP HACKでは、キャンプギアのDIY教室を開催します!
第一回目のテーマは初心者でも作れる「スリムスパイスラック兼風防」です。完成写真を見ると一見難しそうに見えますが……、安心してください。DIYマスターがわかりやす〜くレクチャーしてくれます!
教えてくれるのは、DIYマスターの@hatanaka.famさん
DIY教室の講師をしてくれるのは、インスタグラムも大人気のキャンプギアのDIYマスター「@hatanaka.famさん」です!hatanaka.famさん
はじめましてhatanaka(ハタナカ)と申します。チェアやテーブル、棚など様々なアイテムを手作りしています。
そのなかから今回は初心者の方でも作りやすい「スリムスパイスラック兼風防」の作り方をレクチャーしますよ。みなさんよろしくお願いします!
そのなかから今回は初心者の方でも作りやすい「スリムスパイスラック兼風防」の作り方をレクチャーしますよ。みなさんよろしくお願いします!
それではさっそく、スリムスパイスラック兼風防を作っていきましょう!
作り方は6ステップ
今回作るスパイスラックの図面はこちら。同形状の物を2セット作り、組み合わせて使います。この図面だけでも作れる方がもしかしたらいるかもしれませんが、順を追って6ステップでレクチャーしていきますね。用意する材料は意外と少ない! 木材とマグネットと蝶番だけで作っていきます。
〈材料:スパイスラック(2セット分)〉
・パーツA・B・C用の木材2本:厚み13mm、幅45mm、長さ544mm以上・パーツD用の木材:厚み9mmの合板で236×180㎜を4枚分とれる大きさ
・ミニマグネット直径6mm:12個(スパイスラック1セットで6つ使用)
・蝶番22mm:6個(スパイスラック1セットで3つ使用)
パーツA ・B・Cは「杉材」。比較的安価で手に入るうえ、軽くて柔らかいので初心者でも加工しやすくおすすめです。
パーツDは「シナベニヤ合板」。表面のザラザラ感が少なく、木目がキレイで他パーツに馴染みやすいのが特徴です。ミニマグネットと蝶番は、100均ショップで売っています。
ステップ① 木材をカットしてパーツをそろえる
材料は2セット分ですが、ここからはスパイスラック1セットを作っていく工程をレクチャーしていきます。
まずはパーツA・B・C用の木材をカットする作業。カット前に3面に鉛筆で線を引きます。このときスコヤ(L字型の定規)を使うと各面に直角に線を引けるので便利です。
各側面のラインに沿って、まっすぐ切っていきます。
カットする木材の長さと本数は以下の通り。
パーツA:長さ180mmを2本(写真の真ん中2本)
パーツB:長さ210mmを2本(写真の左2本)
パーツC:長さ154mmを1本(写真の右1本)
hatanaka.famさん
各パーツをボンドでくっつけて枠組みを形成するので、直角に切れるように何度か練習してから本番にとりかかってください。
切るときのコツは“遠目で全体を見ながら力を入れすぎずにゆっくり”切っていくことです。
切るときのコツは“遠目で全体を見ながら力を入れすぎずにゆっくり”切っていくことです。
次にパーツDを作ります。236×180mmで2枚分の線を引いてください。
引いた線に沿ってまっすぐになるように、慎重にノコギリで切りましょう。
これでスパイスラック1セット分のパーツがそろいました。2つ作る際は同じパーツを用意してください。
ステップ② 枠組みの貼り付け
ステップ①でカットしたA2本とB2本をボンドで貼り付けて長方形の枠を作ります。まずはカットした側面にボンドを薄く塗ってください。
次に直角になるように貼り付けていきます。
写真のように長方形の枠組みを作りましょう。
次に枠組みの片面にボンドを薄く塗り、パーツDを貼り付けます。
先ほど作った枠組みとパーツDのサイズがぴったり。ここで一旦、ボンドが乾くまで待ちましょう。
hatanaka.famさん
ボンドはヘラを使うと薄く均一に塗れ、乾きも早くなります。必要であればクランプ(材料をテーブルに固定する道具)を使ってより密着度を高めましょう。
乾かしている最中の木材の浮きを防ぐことができますよ。
乾かしている最中の木材の浮きを防ぐことができますよ。
ステップ③ 長方形を斜めにカットする
次に枠組みを斜めにカットします。鉛筆でカットするラインを引きましょう。
右が上から40mm、左が上から118mmです。じつはこの118mmは、並べるスパイスの背の高さに関係しています。後ほど説明しますね。
側面にも線を引きます。写真は上から118mm。
こちらの写真が上から40mm。線を引き終わったらいよいよカットです。
118mmの方から、裏側と側面のラインを見ながらゆっくりまっすぐノコギリを入れていきます。
hatanaka.famさん
多少曲がっても途中で無理に修正せず、そのまま最後までノコギリを入れていきましょう。ノコギリの終着側が40mmのところから多少ずれても支障はありません。
hatanaka.famさん
最後の切り落としの際も気を抜かずに丁寧にやさしく切ってください。力を入れすぎると木が欠けてしまうこともあるので注意です。
斜め切りが完了しました。スパイスラックがこのように展開できます。
ステップ④ 蝶番とマグネットを付ける
先ほどのように展開させるため、118mmでカットした箇所に蝶番を付けます。写真の位置に蝶番を置いてください。
次に蝶番の穴に対してネジが入りやすいように、キリで軽く跡をつけていきます。
キリの跡を目印にボンドを薄く塗り、蝶番を貼り付けてからネジで留めていきます。
ネジは多少余裕をもたせるくらいの締めでOK。強く締めすぎると蝶番に引っ張られて噛み合わせが悪くなる場合があります。
次に、展開した状態でマグネットを付けていきます。写真のように側面の中央あたりに、マグネットを埋め込む溝を作ります。
キリや彫刻刀でも可能ですが、ドリルを使うと手早くキレイにできます。
このときに使ったドリルの刃は竹用ドリルの6mm。マグネットが6mmなのでぴったりの溝を開けることができます。深さはマグネットの厚みに合わせてマスキングテープで目印をつけています。
穴が開いたら溝にボンドを少量流し込みます。ボンドの量を加味してマグネットの厚みよりほんの少しだけ溝を深くしています。
ボンドの上からマグネットをはめ込みます。このときに側面とマグネットが並行になるようにしてください。マグネットを埋め込み過ぎると磁気が弱くなる原因になります。
ボンドが乾いたら、先ほど埋め込んだマグネットの上に鉛筆の芯をカッターで削り粉を落とします。
そして一回蝶番を閉じます。
すると、対となるマグネットの埋め込み位置に鉛筆の粉が付くので目印にします。
あとは先ほどと同じように目印の箇所に溝を開けボンドを少量流し込み、
マグネットを埋め込みます。
hatanaka.famさん
マグネットの裏表を間違えるとくっつかないので注意してください。また、マグネットを付けたボンドが乾かないうちに開閉をしてしまうとボンドからマグネットが外れてしまうので、乾くまで開け閉めはひかえましょう。
余っているパーツDを扉にしていきます。蝶番を付ける位置は写真を参考にしてください。上から40mmでカットされている少し下にひとつ。下から25mmくらいのところにひとつです。
付け方は先ほどと同じように、キリで跡をつけて、ボンドを薄く引いたあとにネジで留めます。
これで扉が付きました。次に、扉にもマグネットを付けていきます。
枠側の上から40mm、下から40mmの2箇所にドリルで溝を作り、ほかのマグネットと同じようにボンドを流し込んでください。
側面と並行になるようにマグネットを埋め込みます。指のはらで優しく撫でると埋め込まれすぎず、ちょうどよかったですよ。
対のマグネットの位置を、先ほどと同じように鉛筆の粉をマグネットの上に落としてから閉じることで、目印をつけます。
あとは同じ要領で、目印がついた箇所にドリルで溝を作ります。
ボンドを溝に流し込み、マグネットを埋め込みます。
ステップ⑤ 中板をはめ込む
パーツCを中板としてはめます。最初にカットしたサイズはきつくて入らないようになっています。
中板はボンドを使用せずにはめ込みだけで支えるので、ヤスリでちょっとずつ削ってサイズを調整していきます。
収納予定のスパイスのサイズに合わせて中板の位置を調整します。
ぐっと手で押して中板をはめ込みます。ここで最初にカットした118mmが活きてきます。
スパイスの高さと中板の厚みを考慮して、中板が切り込みのちょうど下にくるようになっているんです。これで展開する際も中板が邪魔しません。
hatanaka.famさん
中板は木材を削りすぎていると緩くなってしまうので、慎重にちょっとずつ削るのがポイントです。
hatanaka.famさん
やや斜めに削っていくことで、はめ込みの際にきつくできますよ。
ステップ⑥ カンナ・ヤスリがけと塗装
出っぱって引っかかる箇所があれば、カンナやヤスリを使って削り調整します。
最後に塗装です。みつろうクリームとウッドワックスを使います。
みつろうクリームとウッドワックスを混ぜながら指でまんべんなく塗っていきます。@hatanaka.famさんにも手伝ってもらいながら塗っていきました。
hatanaka.famさん
みつろうクリームを塗ることで防水性が高まり、ウッドワックスを塗るとアンティークっぽいアレンジになります。
あとから塗装しにくい部分は、ステップ②の貼り付け前に塗装してしまってもOKです。
あとから塗装しにくい部分は、ステップ②の貼り付け前に塗装してしまってもOKです。
ついに1セット完成です!
もうひとつ作れば、風防の役割も果たすスパイスラックになります。2セット目は斜めカットと扉の付け位置を逆にすると対になって使いやすいですよ!
ちなみにDIY初心者の筆者が1セット作るのにかかった時間はおよそ2時間。DIYが楽しかったのであっという間でした!
さっそくキャンプで使ってみた!
2セット作ったものをさっそくキャンプで使ってみました。バーナーの前に置けば、スパイスラックが風防にもなってくれるんです。右側のスパイスラックは背の高い瓶用にアレンジしましたよ。
こうやって2つのスパイスラックを並べても風防になります。即席のコンパクトキッチンですね。
※風防として使用する場合、バーナーの炎から十分に安全な距離を取って使用してください。また、強風時には使用を控えましょう。
このように並べればコンパクトにできます。場所をとりたくないない場合はこのスタイルがおすすめです。