今回、このシューズを試してみた
こちらはノースフェイスのトレッキングシューズ「ウルトラファストパックIII BOA GORE-TEX」。最近手に入れたシューズの中でもお気に入りの一足です。黒を基調にしていてアウトドアテイストが強すぎないデザインだから、街でオシャレに履けちゃう。しかも、ゴアテックス素材なので雨の日だって安心なんです。
リアルに山登りではどうなの?
それでは、実際の「トレッキングシューズ」としての実力は? 登山で履けるというのであれば、それはもうキャンプでも十分なスペックを持ち合わせているのとニアリイコールと言ってもいいはず。
ということで、見た目重視の街履きだけではもったいないと思った筆者は、このシューズを履いて東京都の最高峰「雲取山(2,017m)」に登ってみることにしました。
登って分かったトレッキングシューズとしての実力
今回は温泉付き山小屋「三条の湯」のテント場で1泊して、翌日に雲取山の頂上を目指すコースを選びました。コースタイム5時間15分でテント場と頂上を往復する予定です。ダイヤル式「BOAシステム」のおかげで気持ちよく出発
「いざ、出発!」という時に靴ヒモを結び直す手間が必要ないのは、やっぱり山でも大きなアドバンテージになります。
このBOAシステムなら、ツマミ部分を①プッシュして、②カチカチッと回していく。このツーステップで簡単に好みのホールド感が手に入ります。片手どころか、指2本だけでサクッと準備完了。
ゴアテックスで水場の癒しタイムを満喫
山登りで癒されるポイントといったら、水場です。ボトルに湧き水をくんだり、手で水をすくって顔を洗ってみたり、手ぬぐいを濡らして首に巻いたり。このシューズはゴアテックス素材なので、そんな癒しタイム中も足元の濡れを気にすることなく過ごせます。
ビブラムソールのグリップ力でラクに登れる
ビブラム社のメガグリップアウトソールがしっかりと路面をとらえるので、グイグイ歩けます。
下りでは、けっこうな斜度の岩場に両足を置いてもズルッと滑ったりしませんでした。
木の根が露出している場所も難なくクリア。
ゴツゴツした岩場だって、気おくれしないで通過していけました。
ソールが柔らかすぎると、岩場のように不安定なところに立った際にふらついてしまうことがあります。 逆にソールが硬すぎると、軽やかで素早い一歩が踏み出せずにストレスを感じる場合も……。
このモデルのソールは、柔らかすぎず・硬すぎず。安定感があってスピード感も損なわないという絶妙なバランスに驚かされました。
ちなみに(というかじつは重要な数字なのですが)、片足の重量は390g。この数字からもポジショニングが見えてきますね。ハードな岩稜地帯の縦走にも使われるようなトレッキングシューズだと600gを超えてきますし、スピード重視のトレイルランニング用シューズだと250gほどだったりします。
このモデルは日帰り〜1泊程度の山登りを楽しむ軽量志向の初心者、岩場の連続(あまり過酷ではないコース)も軽やかに攻めていきたい中級者に向いていると感じました。
おかげで予定よりも早く雲取山の頂上に到着(残念ながら、曇っていて富士山は拝めず……)。
下山の途中で、雷雨に遭遇……
なんと、今回は下りの最中に天候が急変して激しい雨が降ってしまいました。片側が切り立った崖になっている木段も普段ならなんてことなく通過できるのですが、雨に濡れると滑りやすくなるのでやっかいです。
自分の目線では、このように見えていて少し緊張するシーン。左側に足を踏み外してしまうと大変ですが、滑ることなく安全にクリアできました。
また、下り全般でとてもありがたく思えたのがクッション性の良さ。反発力が高いブランド独自のEVA素材をミッドソール中央に配置したファストフォームテクノロジーによって、着地時のヒザへの衝撃が緩和されていると実感。
テント場では即座にくつろげる
テント場を拠点にしてのシューズの脱ぎ履きは、やはり前述したBOAシステムの効果を再実感。疲れてテント場に帰ってきた時にサクッと脱げるのって、本当にうれしいポイントなんです。
結局、最後の最後までストレスを感じさせないシューズだということが判明。前述した登山用途であれば、機能面で欠点という欠点が見つからず、魅力はデザイン面だけじゃないということがよく分かりました。なにかと脱いだり・履いたりが多くなるキャンプ場でも活躍するのは間違いありません。
帰り道でまた驚いた
帰り道でもこのシューズのいいところを再確認してしまいました。登山をしてきた帰り道だというのに、足下のファッション性で周囲に負けていないのです。
これだけ登山で活躍できて、このクールなルックスなのですから、本当にたいしたシューズですね。
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