アウトドアを仕事に!
みなさん仕事に学校に、忙しい毎日を送っていることでしょう。キャンプはそんな日常から解放してくれる清涼剤のような役割を果たしてくれます。撤収を終え、帰りの時間が近づくにつれ、名残惜しい気持ちになりますよね。
「ずっとここにいたい」と思うとき、ありませんか
緑に囲まれ、新鮮な空気を存分に味わっている中で明日の会議や勉強が頭をよぎり、「いっそ、アウトドアで働ける仕事に就いてみようかな……」なんて考え始める人もいるのでは。好きを仕事にしてみよう!
でもそんな仕事、都合よくあるわけないし……と諦めるのは早いです! アウトドアなお仕事、けっこうあるんです。それでは野外で新しい生き方にチャレンジできる、とっておきの10の職種をご紹介しましょう!
毎日自然に囲まれて過ごせる10のお仕事
①国立公園ではたらく「自然保護官(パークレンジャー)」
全国の国立公園を保護するためにパトロール・調査などを行う仕事です。登山者のための情報を発信したり、調査のため動物に標識をつけたりするのも業務の一環です。
ただ今後、より自然への関心が高まっていくにつれ、増えていく可能性は大いにあるでしょう。
環境省の管轄となるので、パークレンジャーは国家公務員と同じ枠組みで扱われます。おもに日本全国に29カ所ある国立公園内での勤務となります。
自然保護官になるには国家公務員試験に合格し、環境省に入省するというステップを踏むというのが王道です。
②間伐して森を守る「森林官」
国有林を管理して守る仕事です。伐採のしすぎを防ぐために森林の生育状況を調べて「間伐」という木々の間引きをするのがメインの仕事になります。林野庁に所属する森林事務所に勤務することになります。そのほかにも山火事対策、不法投棄の実態調査、樹木を食べる動物への対策など、森林を守り育てていくためにあらゆることをする必要があります。
森林官になるにはパークレンジャーと同じく国家公務員試験に合格し、林野庁か森林管理局に入る必要があります。
狭き門ではありますが、材木資源の確保だけでなく土砂災害の防止にもつながるという有意義な仕事なので、目指してみてはどうでしょう。
③無鉄砲なだけじゃダメ「冒険家」
数千メートル級の山、氷に囲まれた世界、未踏のジャングル、果てしなく広がる砂漠など行き先はさまざま。すべて自由です。ただ、そこに行くだけでは収入が得られません。海外であれば当然のように多額の渡航費もかかります。
現代の冒険家であれば、装備や金銭面をバックアップしてくれるスポンサー探しは必須の仕事となるでしょう。
さらに冒険を踏まえた講演活動、書籍の執筆などで積極的に発信していく必要があります。
お金に変えられるような価値のある冒険は当然のことながらかなりハードルが高くなるので、単にキャンプ好きなだけでは難しいです。
もちろん資格は何も必要ありませんが、その代わりに緻密な計画性があり、高いサバイバル技術が必須となるでしょう。
④動物と駆け引きする「猟師」
ライフルやわなで仕留めた動物で自給自足したり、仕留めた獲物をジビエ料理店などに供するために販売したりすることで生活します。おもにイノシシ、シカ、ウサギ、カモなどがターゲットになるでしょう。クマが出没した場合も駆除要請があったりします。
最近では関連本のヒットなどで猟への関心が高まりつつあり、体験会の講師や講演、執筆などでも活躍の場がありそうです。駆除要請の場合は自治体から助成金が出たりします。
狩猟をするには「第一種銃猟免許」「第二種銃猟免許」「わな猟免許」などの資格取得が必要です。
とはいえ獲物ゼロでは仕事にならないので資格取得後も常に技術を高める努力が不可欠です。猟銃の管理等も徹底が求められるでしょう。
⑤自然を案内する「ネイチャーガイド」
山や森、川、海などで安全な楽しみ方をレクチャーする仕事です。自治体の観光協会や民間観光会社、NPO団体などに所属して活動するのが一般的です。観光客のニーズに合わせてコースやメニューを考える企画力、自然を楽しんでもらうためのサービス精神やプレゼン能力が求められます。もちろん安全面の確認もマストです。
特にネイチャーガイドになるための王道ルートはありません。まずはエコツアー会社や自治体などに就職して、そこで取り組むのが近道でしょう。
⑥木を切るだけじゃない「林業従事者」
森林を維持管理し、育成した木を木材資源として伐採する仕事です。ただ切るだけでなく樹木を伐採したあとに苗木を植え、しっかりした木が育つよう雑草を刈り、枝打ちをし、間伐をおこないながら豊かな森林を再生させるのです。
夏は蒸し暑くて虫に刺されることも多く、一方で冬はかなり寒いので環境耐性の強い人が向いているでしょう。
過酷ではありますが、自然好きにはやりがいのある仕事です。林業従事者になるだけならこれといった資格は不要ですが、運搬時の特殊車両を扱える免許があると有利でしょう。
⑦丸太の家を建てる「ログビルダー」
丸太を組み上げ、ログハウスを建てる仕事です。設計から施工、内外装にいたるまですべてをカバーする知識と技術が求められます。ログハウスには大きく分けて3種類あります。手作業で原木の皮剥ぎをして1本ずつ積み上げる「ハンドカット」、工場で成型した丸太で作る「マシンカット」、在来建築の梁と柱に丸太を使う「ポスト&ビーム」に分けられます。
ログビルダーの醍醐味はハンドカットですが、直径30cm、長さ12m近い1トンの丸太を運んだり削ったりするので相当な重労働です。高所作業の危険も伴います。
ですが、一点ものの丸太の家を作る喜びは何物にも代えがたいでしょう。まずはログを扱っている施工会社に就職し、イチから修行するのが正攻法です。
⑧いつかやってみたかった「キャンプ場経営」
キャンパーに最も身近な野外の仕事がこちらではないでしょうか。「これ、自分でもやれるんじゃないの?」とボンヤリ考えたことのある人もいるでしょう。オートキャンプ場を開業するにあたってイチから用地を取得する場合は届け出が必要になってきます。また、土地によっては開業できないところもあります。
また、バンガローを併設する場合は旅館業法をクリアする必要があります。
ビジネス的には季節や天候によって客足にかなり偏りがあるので、純粋にキャンプ場のみで成り立たせるのはなかなかハードルが高いのが現状です。
イベントを開催したり、グッズを制作してネット販売するなど、収益をあげる独自のアイデアでライバルと差別化する必要がありそうです。
⑨野山を駆け抜ける「トレイルランナー」
近年、自然を舞台とするスポーツとして注目度が高まっているトレイルラン。ウエアやアイテムなども選択肢が一気に広がって、競技人口も増加しています。ただ、趣味として楽しむ人は多いですが、これを仕事とするには工夫が必要になりそうです。大会の賞金をあてにするのは世界でも指折りのトップクラスに限られるので、はじめはインストラクターが現実的な選択でしょう。
常に危険がつきまとうスポーツなので、受講者たちの安全対策は重要です。トレランをビジネスにしているスポーツメーカーや地域団体などに所属するといいでしょう。
⑩一瞬を切り取る「自然写真家」
カメラが好きであれば、アウトドアの写真を仕事にするという選択肢もあります。収入源は雑誌やウェブメディア、広告の撮影依頼を引き受けるというのがリアルな路線です。ただそこまで仕事依頼の多いジャンルとはいえません。なのでニーズを読む視野の広さや、クライアントと仲良くなる社交性なども求められるでしょう。
オリジナルの写真集を作ったり、写真展を開いて作品を販売し収入を得るという方法もありますが、かなりのセンスと技術、そして運が問われます。
ハードな自然写真に取り組む場合は、撮影技術以外にも、冒険的なスキルも併せて必要になってきます。まずはSNSで発表して評判をサーチしてみたり、公募に投稿してみるのも有効でしょう。
夢への一歩は、いつも自分から!
日常をアウトドアで過ごしながら、お金を稼げる仕事を紹介してきました。どんな職種にも共通していえるのが「好き」を仕事にするには相応の努力が必要だということですね。ただ、どんなハードルも好きなら楽しんで乗り越えられるという面もあるでしょう。さあ、夢を実現する一歩を踏み出してみませんか。
仕事にするほどじゃなければ……
屋外で、趣味のDIYなんていかがでしょう。Will you work in nature?
自然の中で働いてみない?