今さら聞けない!? オープンタープを効率的に、しかも美しく張る方法

記事中画像撮影:真田崇史

タープの張り方って実はシンプル

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キャンプシーンをスタイリッシュに見せるオープンタープには、ヘキサ型、ウイング型、レクタングラー型などなど、多彩な形状やサイズのモデルがありますよね。しかしながら基本的に、どれも設営のコツはさほど変わりません。

たった一枚の布がリビングスペースの屋根となるわけですが、この一枚というのがなかなかのくせ者。フレームを組み立てて自立できるテントと比べれば、「どうやって立てるの?」というギモンが、とくにビギナーの方からは多くあるはず。

基本の設営法を知らないと、いつまでたっても短時間で設営ができませんし、大人数で「あーでもない、こーでもない」と時間・体力・精神力を浪費します。わからない人は1時間経っても設営できないことも(風が吹いていればなおさらツライ)。

ここでオープンタープを美しく設営する答えを知れば、とてもシンプルなことがわかります。もっとも効率のよい設営人数は2名で、それ以上は必要なし。息を合わせれば5分で作業完了!
それでは、誰もができるように解説していきましょう。

ベーシックなヘキサタープで設営の手順を紹介します!

手順1

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使用したのはコールマン・ヘキサライトⅡ。まずは設営場所に生地を広げ、メインポール2本も繋げます。ひとまず、メインポールは写真のように生地の天辺に直線上に配置しましょう。

ちなみにこの時点で左右側面4点の張り綱も生地のテープ部に結んでおくと楽です(ちなみに僕は使用頻度が多いため、この張り綱は撤収時も付けっぱなしです。それだけで設営&撤収を含めて時間短縮になるから)。

手順2

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「手順1」で配置したメインポールの位置はココが目安。メインポールのトップ側から見てひとつ目の継ぎ目をグロメットあたりにして置きます。

手順3

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ココがもっとも重要! むしろココさえしっかりと覚えてくれればいいくらいです。とあらかじめ声を大にして言いたい!

メインポール用の自在金具が2つ付いた張り綱を使います。張り綱の上部(後に立ち上げの際にメインポールのトップにひっかける部分)を「手順2」で説明したグロメットを起点として伸ばします。

このときの角度は起点からおおよそ30〜45度で、どこまで伸ばすのかというと、メインポールのエンド部分。※写真ではわかりやすいよう、張り綱の三角形の底辺部分に白い綱でラインを引いています。

張り綱を伸ばしきったところ、30〜45度の角がペグダウンのポイントとなります。ここで角の2カ所にペグダウンをして、それぞれに張り綱を引っかけます。もう一方のメインポール側も同様の作業を行います。あえて強調しますね。この作業は「最初にペグダウン」&「2人で同時進行が理想」です。

04 05 上記、メインポールのペグは、なるべく深く打ち込みましょう。なぜなら立ち上げる際に引っこ抜けてしまう事例をよく目撃するからです。全部打ち込んでしまうと後々張りの調節がしづらくなるため、少しペグの頭が地面から出るくらいに。

06 ペグダウンの角度も重要です。張り綱を引っかけてテンションがかかった場合、写真左の角度で打ってしまうと風が吹いたら抜けて大変危険です。写真右のように、約60〜90度を目安に打ち込みましょう。

手順4

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張り綱に付いている自在金具で、多少張り綱を短くしておきます。立ち上げたときにゆるんでバタつくのを防ぐためです。

手順5

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立ち上げ準備の最終段階。メインポール立ち上げ後の中心線のズレを防ぐため、「手順2」のグロメット付近に目印をつけます。ここがタイトルで触れている「美しく張る」ポイントの2つのうちの1つ!

今回は分かりやすく小枝を地面に刺していますが、小石を置いたりペグを打っておくのもいいでしょう。

手順6

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写真のように生地のグロメットをポールのトップに通してから張り綱の輪っかを引っかけます。この上下の位置を逆にすると、風が吹いた場合にタープが崩壊するので注意を。

さあ、いよいよメインポールを立ち上げます。2人で動時に「せーの」とメインポールを立てましょう。ここで張り綱のゆるみがある場合は自立しませんので、自在金具である程度張りを出しましょう。

10 11 はい、これでメインポールが立ちました。「手順5」で立ち上げ時の目安として打ったポイントのおかげで、向かいのポールとのラインがほぼ直線をキープできています。

オープンタープの効率的な設営法は、このメインポールをうまく自立させることに集約されています。

手順7

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自立してしまえば、あとはサイドの4点の張りを決めるだけ。シワの出ない角度を探しあて、張り綱を伸ばしてペグダウン。この最後の角度決めが「美しく張る」ポイントの2つ目!

手順8

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サイド4点の張り綱をペグダウンしたら、すべての張り綱の自在金具を調節して、全体の張りをしっかりと出します。とその作業の前に、テンションがかかった時に抜けないよう、ペグを写真のように深く打ち込みましょう(つまづきの防止にもなります)。



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メインポールは地面から垂直になっているよりも……。

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地面に対してやや内側に傾けることで美しい仕上がりになります。

16 これにて完成となります。このようにビシッと張ることこそ、オープンタープ設営法の基本となります。

ng_pattern 風が吹いてこのようになっているのをよく見ます。バタバタして落ち着かないですし、安定感も悪い。なによりカッコ悪い……。「張り綱の張り」と「それぞれの角度」をしっかり覚えれば、きっとうまく設営できますよ!

地面がやわらかい場所や強風対策のテクニック

_mg_2511 このようにペグを2本使って、ペグダウンポイントの支点を2点にします。これでペグの抜けはかなり防止できますよ。張り綱に対してのペグダウンの角度は、前述したとおりに。

ひとりでオープンタープを設営する方法

_mg_2383 今度はtent-Mark DESIGNS・Takibi-Tarp TC wingで、ひとりで設営する方法をお教えしましょう。至って簡単です。

写真のようにメインポールを立ち上げる際、メインポールは生地側に傾けましょう。このポールの傾ける方向を変えるだけで、ひとりで美しく設営できちゃいますよ。

張り綱の自在金具で、ある程度テンションをかけてしまえば片側は自立します。この状態でもう片側のメインポールを立ち上げていけばOK。

_mg_2425 はい、ひとりで美しく設営できました〜。どうです? ひとりで設営するときはポールの傾ける方向を意識して立ててみてくださいね。


どんな地面でも対応できるペグハンマーとペグを手に入れる

_mg_2385 強度の高いペグハンマーがあれば、最小限のパワーでペグダウンができます。それと、風を受けた際、張り綱にテンションが強くかかるオープンタープの場合は、長さが約30cmのペグがあると安心。

そしてあらゆる地面に対応する素材のペグを持っておくとさらにいいです。写真左はユニフレーム・パワーペグSUS 300(ステンレス製)、写真右はエリッゼステーク18cm(鍛造)。

_mg_2386 固い地面で曲がってしまったペグたち……。ペグの形状や材質も地面によっては適しているものも多いのですが、種類をたくさん持っていたとしても、使い分けるのはなかなか大変なのです。

前述のペグ2種は最近のお気に入りで、あらゆるフィールドで活躍してくれています。
ITEM
ユニフレーム パワーペグSUS 300×6本セット
●サイズ:約φ7×300mm
●材料:ステンレス鋼
●1本あたりの重量:約100g
ITEM
鍛造ペグ エリッゼステーク 18cm
●全長:184mm
●素材:S55Cスチール
●塗装:カチオン電着+粉体塗装
●重量:(約)79g/本
●製造:新潟県三条

まずはやってみよう

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オープンタープの設営は、メインポールを自立させるのが最重要課題。まずはそこに集中しましょう。ビシッと美しく設営することで、周囲のキャンパーから「デキる」と思われるでしょう。

“最初にペグダウン”というキーワードを忘れずに、何度か反復すれば、「もう設営できちゃった」となりますよ!

撮影・文章:真田 崇史

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