キャンプに行かない“在宅キャンパー”のギア収納【写風人の駒ヶ根アウトドアライフ~第3章#3】

秋晴れのもと天日干し

長野に移住したといっても週に2・3日は岐阜に帰ることが続きました。留守がちで部屋を閉めっぱなしにすることもあり、加えて今夏は長梅雨。

先日道具を整理していると、部屋に風を通さなかったせいか至る所にカビが発生! キャンプギア全てがカビ臭くなってしまったという訳です。


こちらは雨に降られたキャンプの翌日……という訳ではなく、久しぶりの秋晴れに天日干しです。

週末の森暮らしを始めてからはほとんどキャンプには行かず、春にリフォームが終わってからも道具をしまい込んだままにしていました。


すると滅多に使わないという状況が続き、テントやシュラフなどがすっかりカビ臭く……。湿気対策もされていない中古住宅故の、嘆かわしい惨事です。


主なキャンプギアは元押し入れだった場所に収納していましたが、やはり押し入れは湿気が隠(こも)りやすいようです。

今回の災難を振り返り、カビの生えやすい道具はカメラ用の防湿庫に入れ、右下にある扇風機で押し入れに風を送りながら湿気が隠らないよう対処しました。

森暮らしは虫が多いやら雑草の成長は早いやらで決して快適なことばかりではないのですが、気分の落ち込むような不快な話はこれくらいにして、薪づくりの道具や調理器具などをどのように収納しているかをご紹介したいと思います。


いつでも取り出せる実用的な“魅せる”収納

整然とレイアウトされた愛用ギア


押し入れ収納の右側には、主に薪づくりのためのグローブや斧などのコーナーがあります。薪づくりの必需品であるグローブは色々使ってきましたが、今ではハードワークに耐えうるグリップスワニーが一番のお気に入りです。訳あってちょっと沢山ありますが……。

斧は20年以上愛用しているスウェーデン発のグレンスフォシュ・ブルーク。切れ味・使いやすさ・バランスなど、どれをとっても非の打ち所がない名品で、虜になっています。

よくSNSなどでグレンスフォシュのハッシュタグをみると、グレンスフォシュ・ブルークスと「ス」のついたタグが圧倒的に多いようですが、「ス」のないブルークが正式名称です。


柄に刻印されているロゴの変遷です。 以前は一番上のGRÄNSFORS BRUKS ABでしたが、途中から「AB」がなくなり2014年から「S」もなくなり、BRUKに社名が変更されました。

元々あった「AB」はLtd(株式会社)の意味で、「S」もそれに付随する言葉のようです。

BRUKには“小さなコミュニティ”という意味があり、大量生産の時代から職人気質に基づいた伝統的製法へ回帰するために敢えて「AB」を取り、途中で付随する「S」もなくなったという訳です。

そんなグレンスフォシュ・ブルークはヨーロッパでも圧倒的に人気が高く、日本にはいつ入荷するか分からない状態が続いています。もしどこかの販売店で見かけたら、貴重な1本かもしれません。

床を土間にリフォームして収納スペースに


グローブ・斧の下は土間になっており、チェーンソーやブロワなどの置き場所になっています。リフォーム前は床でしたが、靴を履いたまま道具を取りに行けるよう土間にしました。ここは土間の一番奥で、入り口には薪ストーブが設置してあります。


薪ストーブはバーモントキャスティングスの最大機種「デファイアント」。 梅雨時は朝夕冷え込むこともあり、薪ストーブのシーズンオフといえども結構焚いていました。薪ストーブは暖房と同時に湿気も取ってくれるので、ジメジメした季節でも部屋がカラッとします。

ただ毎日暮らしているわけではなかったので、カビが生えてしまったんですね。あっ、またカビの話に戻ってしまいました……。デファイアントの周りには薪ストーブ料理や野外料理でも使う鉄鍋やフライパンなどを配置しました。

アウトドアでもインドアでも直火を熱源にしているので、携帯性よりもヘビーデューティな道具が主流になっています。

衛生面に配慮して、食器類は窓際に


その薪ストーブの手前は、シェラカップやカトラリーコーナー。食器類やボードなどは、衛生面から窓際に吊して収納しています。

シェラカップの上段は、厚いステンレスをヘラ絞りで成型した頑強なアナルコカップス。手荒な扱いにも耐えてきた、最も使用頻度の高い道具です。


最後にランタン類の収納例をご紹介。ランプなど割れやすいものは、全て吊しています。ちょっとした地震があっても棚から落ちて割れることもないので、留守にしていても安心。

キャンプ道具の収納は地震など災害対策の面からも必要ですし、使用頻度の高いものほど取り出しやすさも重要。出来れば見た目も重視したい所なのでなかなか難しいですが、それゆえこだわり所でもありますね。
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