駒ヶ根アウトドアライフ#03:冬キャンプの薪ストーブ

冬キャンは薪ストーブでポカポカ。ちょっとその前に・・・

近年キャンプにも薪ストーブが多く使われるようになってきました。
断然暖かいし、料理も出来るし、揺らめく炎を眺めているだけでも幸せな気分になります。
当初、予定にはありませんでしたが冬キャン突入していることもあって急遽テーマを変更しました。

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薪ストーブといっても本格的な住宅用ではなく、キャンプにも使える簡易型薪ストーブに触れたいと思います。

昔からある時計型やタマゴ型を始め、最近は海外製品も目立つようになってきました。
そのほとんどが鉄板もしくはステンレス製で、携帯性を考慮して軽量化されています。
それ故、半永久的に使えるものではないので数年使っている場合はよく点検し、穴が開いたり変形してきたら、部品交換するか買い換えが必要です。

設置

屋外で使用する場合はさほど気にすることはありませんが、問題はテント内に薪ストーブを設置する場合です。
ほとんどのメーカーはテント内での使用を想定していません。
住宅用薪ストーブでも壁との離隔距離や炉床の大きさ、周辺可燃物の保護など一段と設置環境が厳しくなる一方、テント内での薪ストーブは安全性の確保がまだまだ甘いように思われます。
いくら火の粉に強いコットン生地と言っても、防炎加工が施されているとは限りません。

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提供:hanauta63

生地近くに設置する場合は不燃物の炉壁を設置するのも有効な手段です。
また寝具や衣料など燃えやすいものはなるべく離し、ガス・灯油などの燃料系は同じテント内に置かないようにしましょう。
テント内での使用は一酸化中毒に注意し、警報器の設置も必要になります。


煙突

薪ストーブの設置で最も重要な要素が煙突です。
よくテント内に煙が逆流してくると言った事例をよく聞きますが、そのほとんどは煙突が原因です。
まず考えられるのが、
・煙突が低い
・煙突の横引きが長すぎる、煙突の曲がりが多い。
・煙突のほとんどが外に出ている。(冷えると煙突効果がなくなる。)
・強風によって煙突から風が吹き込む

効率よく排煙するためには、いかに上昇気流(ドラフト)を作るかがポイントになります。

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薪ストーブはテント内の中央に置き、煙突を真上に立てることが最も理想的な設置だと言えます。
逆に煙の抜けが良すぎて暖気が逃げてしまう場合には、煙突ダンパーで燃焼コントロールすることも出来ます。
薪ストーブによる火災の原因はほとんどが煙突です。高温燃焼しすぎたり、テント接合部には専用のキットを使うようにしましょう。

薪は大きく分けて広葉樹と針葉樹があり、どちらもホームセンターなどで手に入りやすいと思います。

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針葉樹は燃えやすいので小割して焚き付けに使い、広葉樹で火持ちさせるのが一般的な焚き方です。
針葉樹しか手に入らない場合は、高温になりやすいため燃やしすぎないようにしましょう。
倒木や折れ枝も貴重な薪エネルギーですが、朽ちる寸前のボロボロになった薪は可燃性ガスが発生しにくく火力が上がりません。
また生木の状態では、燃えないばかりかタールや煤が煙突に付着し火災の原因にもなり、煙の逆流も引き起こします。
薪ストーブには、よく乾燥した薪を使いましょう。

端材や材木なども利用できますが、塗料や接着剤が使われた木材(合板・集成材)などは有毒ガスが発生します。
また紙類は灰が舞い上がりやすいのでなるべく燃やさない方がいいと思います。
薪ストーブは焼却炉ではありませんので、生ゴミやビニールなどは決して燃やさないようにしましょう。

道具

薪ストーブには、最低限でも火ばさみ、灰かきスコップ、耐熱グローブは用意しておきたい道具です。

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薪ストーブ用温度計もあると、調理や燃焼状況が分かりやすいので便利です。
トリベットはストーブトップでの火力を調節したり、五徳や鍋置きとしても重宝します。
灰の処理に困ったときは蓋付きの灰取りバケツもあります。


慣らし

さあ、いよいよ火入れです。
といって、はりきって新品をいきなりテント内で使うと耐熱塗料などが焼けて悪臭が充満します。
新品の薪ストーブは慣らし焚きが必要です。

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火を起こし焚き付けが燃え始めたら、太めの薪を数本追加し、自然に消えるまでそのままにしておきます。
それを2・3度繰り返せば、慣らし焚きは終わりです。
炉内に残った灰は、火消し壺や灰取りバケツなどに入れて保管し次回のキャンプのために利用します。

燃焼

薪ストーブを設置したら、炉内の底に灰を敷きます。火持ちも良くなり地面へのダメージも軽減できます。
煙突が冷えている場合は、炉内の排気口辺りに固形燃料を燃やして煙突を温めます。
こうすることで煙突からの煙の逆流を防ぎます。

薪の組み方は、中くらいの太さの薪を下に敷き詰め、燃えやすい焚き付けを何本か積み上げます。

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点火はファイヤースターターが最も簡単で安く、7・8分燃え続けるので確実に火が熾せます。
徐々に焚き付けに火が移り、やがてすべての薪が燃え始めます。
このまま暫く燃やし続け、熾きになりかかる前に数本追加していきます。

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ストーブトップに温度計を置き、約350度を越えないように注意しながら、この焚き方を繰り返していきます。
煙突が真っ赤になるほど燃やしすぎるのは薪ストーブにダメージを与えるばかりではなく、火災の原因にもなりますので気を付けましょう。

薪ストーブ料理

薪ストーブは暖房ばかりでなく、料理の熱源としても利用できるので冬キャンには欠かせませんね。
絶えずお湯が沸いているのも魅力です。

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私のストーブは天板の蓋が何重にもはずれるので、羽釜や中華鍋も料理できます。
炉内でダッチオーブン料理をしたり、ストーブ底でピザも焼いたり出来ます。
薪ストーブを選ぶときは、クッキングストーブとしての機能にも注目したいですね。


撤収と手入れ

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薪ストーブの撤収は、炉内の灰が完全に消えたことを確認して火消し壺に入れて持ち帰るか、現地の灰処理場に捨てましょう。
炉内に灰が残ったまま保管すると、酸化して錆びやすくなります。
灰はきれいに取り除いて、油を薄く塗っておくのも錆対策になります。

また煙突内に煤が残っていると火災の原因にもなりますので、煙突掃除も定期的に行いましょう。

 
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