【プロに聞いてみた!】憧れランタン「ペトロマックスHK500」使い方のコツまとめ

記事中撮影画像すべて:フィグインク

「ペトロマックスHK500」ってどんなランタン?

「ペトロマックスHK500」は、合計229もの細かなパーツから構成されたランタン。美しく完成された姿は世界中の愛好家から絶大なる支持を得ています。

400W(5000ルーメン)相当というかなりの明るさを誇るのでメインランタンとして最適です。「HK500」があるだけで一気にテントサイトの格が上がるといっても過言ではないでしょう。

今回教えてもらう「HK500」のプロをご紹介


「でも、難しいんでしょ」という声も聞かれます。そこで、ペトロマックスを取り扱っているスター商事の仲平春奈さんに「HK500」の正しい使い方を聞いてきました。

仲平さんは日々、ペトロマックス商品の修理やメンテナンス対応をされているので、仕組みを完璧に理解したまさに“HK500マスター”!


正しい点灯ステップをお教えします!


みんなが憧れる「HK500」、でもちゃんと扱えていない人も多いのでは。

すでに持っているけど使いこなせていない人や、いつかは買いたいと思っている方に向けて、正しい使い方を教えてください仲平さん!

分かりました!(笑) 「HK500」は圧力式なので手間はかかるのですが、点灯させるまでの過程も味わいながら楽しめるランタンです。

今回は実践しながら正しい使い方や注意点をご紹介していきますね。

①開封して保護リングを外す


まず購入して箱から開封した状態から点灯・消火・保管までの工程を教えていただくことに。

それではさっそくやってみましょう。箱から開封したあとはホヤガラスの上下にあるピンク色の保護リングを必ず外してください。

ヘッドカバーの両側についているスクリューを緩めてヘッドカバーを外します。

続いてインナーチムニーと呼ばれるマントルを設置する部分を外し、上部の保護リングを外します。

ホヤガラスを外して下部の保護リングを外し、ホヤガラスを元に戻します。この保護リングを外さずに使用してしまったという修理の問い合わせ、結構あるんですよ。

説明書にも書いてありますのでご注意ください。

じつは筆者も「HK500」を買ったばかりのときに保護リングを外さず点灯してしまい、ホヤガラスが真っ黒になって修理行きとなってしまいました……お恥ずかしい限りです。

ちなみに、この保護リングは捨ててもいいのですが、ホヤガラスを保護するため保管時や移動時に取り付けても構わないそう。

②マントルをつける


保護リングを外したら、マントルの設置の正しい設置の仕方に移ります。

続いてインナーチムニーにマントルをつけます。マントルは他社製品を使用されている方もいますが、しっかりと点火しなかったりするので必ずペトロマックスの純正のものをご使用ください。

インナーチムニーのノズルの溝にマントルを指先で膨らませてつけ、二重結びをして固定します。

余ったひもはナイフなどで切ってくださいね。ひもが長いままだと、マントルに触れてマントルが傷ついたりしてしまいます。

マントルをつけたインナーチムニーとヘッドカバーを元の通りに取り付けて設置完了です。この時、マントルがジェネレーターのリングに引っかからないように注意してくださいね。

③灯油を入れる


「HK500」に合ったオススメの燃料はこちら。

このランタンで使えるのは「灯油」のみです。

ホワイトガソリンやアルコールでも使えますか、というお問い合わせもいただくのですが、灯油以外は使用できませんのでご注意ください。

それでは灯油を入れていきましょう。圧力計付き注油口キャップを開け、付属のジョウゴを使って灯油を入れていきます。

灯油タンクの容量は1リットルですが、入れる量はタンクの7分目を越えないようにしましょう。暗くて見えづらいかもしれませんがタンクの中を目視で確認するようにしてください。

燃料を入れすぎると圧力がかかりにくくなり、少なすぎるとうまく燃料を吸い上げられずに炎が途切れてしまったりします。灯油を入れ終わったら、圧力計付き注油口キャップを閉めます

④ポンピング


続いては「HK500」ユーザーにとって象徴的な動作でもあるポンピング。ここでの注意点を教えてもらいます。

大切なのは、ポンピングの前に各所の栓やレバーが閉まっているかを確認すること。これが正しい状態になっていないと、いくら一生懸命ポンピングをしても点火しないことがあります。

まずは、圧力計付き注油口キャップの隣にある圧力調整スクリューがきちんと閉まっていることを確認します。

続いて青いグリップホイールの矢印を上向きにしてください。これでバルブが閉まっている状態になります。グリップホイールは左右どちらから回しても構いません。

予熱バーナーのレバーが閉まっていることを確認します。

ポンプのロックを外して伸ばします。

ポンピングをしていきます。この時、親指の腹を使うと疲れにくいのでオススメですよ。

圧力計の針が中央の赤い線のところにくるまで続けます。ポンピングは最低100回は頑張りましょう!

ちなみに圧力が足りていないと点火しません。針が赤い線を越えても特に問題はありません。

⑤マントルのから焼き

ポンピングをして圧力を十分にかけたら、続いてはマントルの「から焼き」。なぜ、から焼きをする必要があるのでしょうか?

マントルとは「合成繊維でできた網状の袋」のことです。「HK500」はマントルにガス状の燃料を吹き溜め、発熱させて発光する仕組みです。

から焼きとはマントルの余計な繊維などを焼き切って、純粋な発光物質にするために「灰化」させる工程。

これをしないと点火できませんが、一度灰状にしたマントルは破れない限り何回でも使えますので、その場合はこの工程は省けます。


なるほど……勉強になります。それではやり方を教えてもらいましょう!

圧力計の針が赤い線に来たら、予熱バーナーのレバーを手前に引くと霧状になった灯油が噴き出します。

レバーを引いて開いたところが着火口になっているので、ライターなどを近づけて着火させます。

ゴーっという音とともに炎が勢いよく噴射します。最初は不安になるくらい炎の勢いが強いですが問題ありません。

マントルに燃え移ったら予熱バーナーのレバーを元に戻します。

全体に火が移り、マントルが白い灰状に変化したら「から焼き」完了です。


⑥プレヒート

マントルのから焼きが終わったら、次はいよいよ点火……ですかね?!

いえ、マントルのから焼きが終わったら、点火の前に「プレヒート」という非常に重要な工程があります。

プレヒートとは、灯油を気化させるためにジェネレーターを温めておくことです。しっかりとプレヒートができていないと点火できないんですよ。

再び圧力計の針が赤い線にくるまでポンピングします。このポンピング……なかなかハードですよね(笑)。

そして再び予熱バーナーを下げてライターなどで点火します。すると予熱バーナーから炎が勢いよく噴射してジェネレーターを熱し始めます。そのまま炎を噴射させておきます。

炎がジェネレーターを熱している間も、圧力計の針が下がらないようにひたすらポンピング、ポンピング、ポンピング……。

このプレヒートは最低でも90秒以上行ってください。長い分には大丈夫です。

⑦ついにこの時が……「HK500」点灯!


ポンピングはかなり体力を要する作業でした。そしてついに待ちに待った「点灯」へ!

プレヒートが90秒以上経過したら、グリップホイールの矢印を下に向けましょう。そうすると、マントルに点火します。

予熱バーナーのレバーを元の位置に戻してください。点灯時もポンピングして圧力計の針が赤い線にくるようにして、炎の状態を安定させるのがポイントです。

これで無事に点火しました!

ポンピングやプレヒートなど、いろいろとハードルはありますが、だからこそ無事に点灯したときの達成感はひとしお! この特別な感覚はほかのランタンではなかなか味わえません。

⑧消火


苦労して点灯させて、これでもう安心……というわけにはいきません。消化するときの工程もしっかり覚えておく必要があります。

では「HK500」の消し方に移ります。圧力計の横についている圧力調整スクリューを反時計まわりに回すと、タンクの圧力が抜けます。

圧力が抜けると自動的に消火します。

グリップホイールの矢印を上向きに戻します。

本体が冷めたら圧力スクリューを締め、残った灯油を抜いて保管してください。

次に使う時のためにメンテナンスを!

「HK500」購入時にはさまざまな付属品がついてきますが、これらはすべてメンテナンスに使うアイテムなのだそう。



このランタンを長く使うためには、使い終わった後にしっかりとメンテすることをオススメします。

点火レバーを開けたところにある灯油の吹き出し口はゴミがつまりやすい箇所です。「掃除針」という付属アイテムで定期的に取り除きましょう。


インナーチムニーのミキシングチューブという部分も緩みやすいので、付属の「専用スパナ」でこまめに締めてください。

ジェネレーター上部にあるニップルは熱膨張で緩みやすいので、これも「専用スパナ」で締めておきましょう。

マントルを設置するインナーチムニーのノズルも熱膨張で緩みやすいので、手で締めておくことが重要です。


カラーは2種類、どっちが好み?

「HK500」のラインナップとオプションについてご紹介していきます!

カラーは金色の「ブラス」と銀色の「ニッケル」の2色

出典:楽天
カラバリは金(ブラス)と銀(ニッケル)の2色で展開。使い込むほど味が出てシブい雰囲気になってきます。

サイズは直径17cm×高さ40cm、重さ2.4kgとかなり大きく、圧倒的な存在感です。連続で約8時間の燃焼が可能です。
ITEM
ペトロマックス HK500 ブラス
■タンク容量:1L
■明るさ:約400W
ITEM
ペトロマックス HK500 ニッケル
■本体重量:2.4kg
■サイズ:直径17 × 高さ40cm

フードをつけるとさらにおしゃれな雰囲気に


出典:Amazon
別売りの「トップリフレクター」をつけると、明かりがランタンの下部に広がり、さらによい雰囲気を作り出せます。
ITEM
ペトロマックス HK500 トップリフレクター
■サイズ:直径350mm、34,5x 34,5x 4,6cm
■素材:スチール、メッキ
■重量:740g

専用ランタンケースでしっかり保護


ランタンとトップリフレクターが収納できるコーデュラナイロン製の運搬用バッグ。多くの部品を使った精密ギアなので、運搬時の保護はとても大事です。
ITEM
ペトロマックス HK500 トランスポートバッグ
■本体ケースサイズ:19×19×43cm
■リフレクターケースサイズ:直径37cm

これであなたもペトロマックスのマスターに!


正直なところ準備や点火、メンテナンスと何かと手間のかかるペトロマックス「HK500」ですが、それ以上の愛着を生んでくれる存在になってくれるでしょう。

ペトロマックスHK500の注意点おさらい

ここで、スター商事の仲平さんに聞いた注意点を改めておさらいしておきます。

①レバー、栓、灯油などを正しくセット
②ポンピング でしっかりと加圧
③プレヒート時もポンピング、90秒以上
④点火後も圧力を落とさないようにポンピング
⑤保管時はこまめにメンテナンスを

メインランタン選びでお悩みの方は、ぜひこのペトロマックス「HK500」にチャレンジしてみてください!

クラシックギア好きなら……

トランギアのこちらもツボなのでは。

Let’s use the Petromax HK 500

あなたもペトロマックス「HK500」を使いこなそう!



 

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